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吉田の呼ぶ声に、はっと我に返ったように輝幸は
屈託のない少年のような笑顔を返した。
・・・・そして・・・・・
何と言うことであろう!!
キングを、ボートに引き上げてライブウェルに・・・・
どころか、ゆっくりと・・・・優しく湖面に持ちあげた手を戻し
その手を放した・・・・。
キングは一瞬湖面に漂い、そしてほかのバスをリリースした時の
ように、逃げるように水中に消えていくのではなく
少しの間、別れを惜しむかのようにさえ見えるほど
ゆっくりと、堂々と水中深くに消えて行った・・・・
それを見た吉田は、それこそ飛び込んで捕まえてくるといった
勢いで、狂ったように叫んだ!
「何するんだ!藤野っ!
チャンピオンバスだぞっ!
このトーナメントナンバーワンになれる、ウィニングバスじゃないか!
気でも違ったのか!」
それを遮るように、輝幸は優しく・・・しかし圧倒的な威厳を持って言った・・。
「いいんだ・・・・これでいいんだよ・・吉田。」
NO-FISH・過去記事
連載小説 ”NO-FISH”|
1:第一章 プロローグ|
2:|
3:第二章 デビュー|
4:|
5:|
6:|
7:|
8:|
9:|
10:|
11:|
12:|
13:|
14:|
15:第三章 ミラクルバシング|
16:|
17:第四章 ライトゲーム|
18:|
19:|
20:|
21:|
22:|
23:|
24:|
25:|
26:|
27:|
28:|
29:|
30:|
31:第五章 ハイテク バシング|
32:|
33:|
34:|
35:|
36:第六章 リトルアングラー|
37:|
38:|
39:第七章 老人|
40:|
41:|
42:|
43:第八章 迷い・・・・|
44:|
45:|
46:|
47:|
48:|
49:|
50:|
51:第九章 フロック?|
52:|
53:|
54:|
55:|
56:|
57:|
58:|
59:|
60:|
61:|
62:|
63:|
64:|
65:第十章 最後の決戦|
66:|
67:|
68:|
69:十章 第二節 プレッシャー|
70:|
71:|
72:|
73:|
74:|
75:|
76:|
77:|
78:|
79:|
80:|
81:十章 第三節 懐かしいパワー|
82:|
83:|
84:|
85:十章 第四節 スーパーランカー|
86:|
87:|
88:|
89:|
90:|
91:|
92:|
93:|
94:|
95:最終章 ノーフィッシュ|
96:|
97:|
98:最終話|
99:あとがき|
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