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吉田といえば、そのあまりの大きさに
声も出ないようである。
いろんな湖で、いろんなプロと仕事をしてきたが
同じバスだとは思えないほどの圧倒的存在感だ。
輝幸は、キングの顔をぐっと水面から持ちあげ
ハンドランディングの体制に入った。
いままでのバスとは、けた違いの口の大きさに
一瞬恐怖心に似た感覚が、輝幸を襲う。
食いちぎられはしないか・・・・・
それほどの、威圧感だ。
吉田は、はっと我に返ったように声を裏返しながら叫んだ!
「やった!やったぜ!藤野!
これで逆転チャンピオンは間違いなしだ!
やった!チャンピオンだぜ!チャンピオン!
やった!やった!」
とまるで、自分のことのように狂喜乱舞した。
その度に、ボートがぐらぐらと揺れる・・・。
「さぁ、早いとこ引き上げちまおうぜ!
こりゃ65cm・・・・5kgは確実だ!
すげえバスだ・・・
さぁ・・・藤野!
あと40分で計量終了だ!
早く!早く!」
その言葉に急かされたように輝幸は、キングの口に
親指を入れて、グッと持ち上げた・・・。
・・・お、重い・・・・
確実に5kgをオーバーしている。
本場アメリカでも、これだけのバスは滅多に上がるもんじゃない。
典型的なフロリダバスだ。
間違いなく、輝幸がチャンピオンである。
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連載小説 ”NO-FISH”|
1:第一章 プロローグ|
2:|
3:第二章 デビュー|
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9:|
10:|
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15:第三章 ミラクルバシング|
16:|
17:第四章 ライトゲーム|
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31:第五章 ハイテク バシング|
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36:第六章 リトルアングラー|
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39:第七章 老人|
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43:第八章 迷い・・・・|
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51:第九章 フロック?|
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65:第十章 最後の決戦|
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69:十章 第二節 プレッシャー|
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81:十章 第三節 懐かしいパワー|
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85:十章 第四節 スーパーランカー|
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95:最終章 ノーフィッシュ|
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98:最終話|
99:あとがき|
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