いや・・・奴は体力を温存しているだけであった。
自分でボートの方へ泳いで行ったのだ・・。
しかも・・・ただ寄るだけではなく、現在の深度を確実にキープしながらだ。
フィッシャーにとって、同じ10m寄せてくるのでも
向こうの方から寄せてくるよりも、真下から上げてくる方が
何倍も神経を使う。
まるで奴はそれを知っているかのように、水深をキープして
フィッシャーを油断させようとしていたのである。
・・・・が、輝幸はそのことに気付いていた。
今の輝幸には、魚が何を考えているのか手に取るように分った。
しかし、今はどうする事もできない。
分かっていながら、今のうちに少しでも巻いておかないと
ラインやリール、ロッドに負担がかかり過ぎる。
第一、輝幸の体力にも限界がある。
今は、いずれやってくるであろう奴の反撃に備えて
細心の注意を払いながら、巻き続けるしかない・・・。
NO-FISH・過去記事
連載小説 ”NO-FISH”|
1:第一章 プロローグ|
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3:第二章 デビュー|
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8:|
9:|
10:|
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12:|
13:|
14:|
15:第三章 ミラクルバシング|
16:|
17:第四章 ライトゲーム|
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27:|
28:|
29:|
30:|
31:第五章 ハイテク バシング|
32:|
33:|
34:|
35:|
36:第六章 リトルアングラー|
37:|
38:|
39:第七章 老人|
40:|
41:|
42:|
43:第八章 迷い・・・・|
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45:|
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47:|
48:|
49:|
50:|
51:第九章 フロック?|
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59:|
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65:第十章 最後の決戦|
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68:|
69:十章 第二節 プレッシャー|
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78:|
79:|
80:|
81:十章 第三節 懐かしいパワー|
82:|
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85:十章 第四節 スーパーランカー|
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89:|
90:|
91:|
92:|
93:|
94:|
95:最終章 ノーフィッシュ|
96:|
97:|
98:最終話|
99:あとがき|
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