そして、よこに走らせて疲れるのを待つしかない。
奴は10回巻いたら、9回ラインを引っ張り出す・・・
すでに10分近く経っていた。
ラインは10m程しか巻けていなかった。
少なく見てもあと20mばかり巻き取らねば
奴の姿を拝めそうにもなかった。
相変わらず、下へ下へ潜ろうとしている。
なんとか寄せようとするのであるが、1m巻けば
1m引っ張り出される・・・・・
そんな事の繰り返しであった。
ボートは随分と風に流されてしまっていた。
いつもはエレクトリックモーターを使って同じ場所に
留まっているのだが、最初からエレキは上げっ放しである・・・。
山からの吹き下ろしの風で、沖へ沖へと流されているので
いったいここはどれくらいの水深があるのか見当もつかない。
あまり潜られ過ぎると面倒だ・・・。
・・・・とその時、ふっと幾らか引く力が弱まった。
力尽きたのであろうか?
ここぞとばかり、強引にハンドルを回す。
先程までの抵抗はまるで感じられない。
20分に及ぶ格闘で、奴は本当に力尽きたのであろうか?
NO-FISH・過去記事
連載小説 ”NO-FISH”|
1:第一章 プロローグ|
2:|
3:第二章 デビュー|
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5:|
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7:|
8:|
9:|
10:|
11:|
12:|
13:|
14:|
15:第三章 ミラクルバシング|
16:|
17:第四章 ライトゲーム|
18:|
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20:|
21:|
22:|
23:|
24:|
25:|
26:|
27:|
28:|
29:|
30:|
31:第五章 ハイテク バシング|
32:|
33:|
34:|
35:|
36:第六章 リトルアングラー|
37:|
38:|
39:第七章 老人|
40:|
41:|
42:|
43:第八章 迷い・・・・|
44:|
45:|
46:|
47:|
48:|
49:|
50:|
51:第九章 フロック?|
52:|
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56:|
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58:|
59:|
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61:|
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64:|
65:第十章 最後の決戦|
66:|
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68:|
69:十章 第二節 プレッシャー|
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78:|
79:|
80:|
81:十章 第三節 懐かしいパワー|
82:|
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84:|
85:十章 第四節 スーパーランカー|
86:|
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89:|
90:|
91:|
92:|
93:|
94:|
95:最終章 ノーフィッシュ|
96:|
97:|
98:最終話|
99:あとがき|
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