大きな弧を描いてルアーは、全く同じ所に着水した。
・・・今度は、少しだけ時間をおいてリーリングを始めた。
相変わらずそのスピードは恐ろしく速かったが・・・・。
しかし・・・・先ほどと違う空気を吉田は感じていた。
物凄い速さでリーリングする輝幸の背中から
発する気が違うのだ。
覚悟を決めた・・・というか、なにか奥深い感覚・・・
そんなオーラを見てとれた・・・。
とても声をかける雰囲気ではない。
時間が止まったみたいだな・・・・・と吉田が思った瞬間!
輝幸のリーリングする手が止まった!
・・・・いや、止められたのだ!
ジャーーーーーーッ!
きつく締めたはずのドラグからは、ラインがどんどん出て行く。
ロッドは、大きくその根元からグニャリと曲げられている。
合わせの必要はなかった。
完全な向こうアワセである。
彼のDB-?マグナムを引っ手繰るように喰いついたのだ!
「ビンゴッ!!」
ぐっと足を踏ん張る。
そうしないと、よろよろと引き込まれそうになる。
こんな強烈な引きは初めてだ!
ドラグはさらに少し締めたものの、まだ出て行くラインの方が多いくらいだ!
巧みなロッド捌きでなんとかかわしているが、並みのプロならば
ラインを全部引っ張り出されて、一瞬でバイバイ・・・というところであろう。
とにかく重い重い!
どんどん潜っていく。
あまり潜られて、藻の中に入り込まれたらお終いだ。
少し強引にハンドルをこじ回す・・・・・
しかし・・・何と言う力だろう。
全くリールを巻けないほどの抵抗を見せる!
ロッドアクションでかわし続けるしかない!
NO-FISH・過去記事
連載小説 ”NO-FISH”|
1:第一章 プロローグ|
2:|
3:第二章 デビュー|
4:|
5:|
6:|
7:|
8:|
9:|
10:|
11:|
12:|
13:|
14:|
15:第三章 ミラクルバシング|
16:|
17:第四章 ライトゲーム|
18:|
19:|
20:|
21:|
22:|
23:|
24:|
25:|
26:|
27:|
28:|
29:|
30:|
31:第五章 ハイテク バシング|
32:|
33:|
34:|
35:|
36:第六章 リトルアングラー|
37:|
38:|
39:第七章 老人|
40:|
41:|
42:|
43:第八章 迷い・・・・|
44:|
45:|
46:|
47:|
48:|
49:|
50:|
51:第九章 フロック?|
52:|
53:|
54:|
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56:|
57:|
58:|
59:|
60:|
61:|
62:|
63:|
64:|
65:第十章 最後の決戦|
66:|
67:|
68:|
69:十章 第二節 プレッシャー|
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73:|
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75:|
76:|
77:|
78:|
79:|
80:|
81:十章 第三節 懐かしいパワー|
82:|
83:|
84:|
85:十章 第四節 スーパーランカー|
86:|
87:|
88:|
89:|
90:|
91:|
92:|
93:|
94:|
95:最終章 ノーフィッシュ|
96:|
97:|
98:最終話|
99:あとがき|
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