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輝幸はヒューンという鋭い音をたてて
ビッグクランクを大遠投した。
8フィートのロングロッドに、12ポンドの細めのライン。
軽く40mは飛んでいるだろうか・・・
遥か向こうにルアーは着水した。

そして、間髪を入れずにリーリングを開始する。
しかも、早い早い!
DB-?マグナムはぐんぐん潜っていく。
そして、最大潜航深度まで一気に辿り着き
水平航行に入った。

・・・・ちょうどそのルアーの下20cmほどの湖底に
青々とした藻がぎっしり生えていた。
水深7・9m・・・・・
ゆるやかにかけ上がるこのポイントは、魚探で見れば
それこそよだれが出るほどのグッドポイントだ!

そこを、偶然?輝幸は最も得意とするクランクベイトで
そのど真ん中を攻めているのである。

・・・・一投目・・・・
DB-?マグナムは何事もなかったように彼の手に戻ってきた。

すぐに第二投・・・またもや大遠投だ。
先ほどよりも3mほど手前に着水した。
またすぐに、恐ろしいスピードでリーリングを始める。

・・・・そんな調子で全く同じポイントに6投して何の反応もなかった・・・・
また同じ所にキャストしようとしている輝幸に吉田が、
「おい!藤野!
 お前、ヤケになっているのか?!」と尋ねた。

輝幸は、振り返ってニコっと微笑んだだけで
また同じ所に7回目のキャストで、ルアーを叩き込んだ。


2008年9月 9日(火)

NO-FISH・過去記事
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