それを見た同船のプレス吉田は、
「何をする気だ!
あと一時間半あるじゃないか!
今のあんたの成績じゃ逆転チャンピオンは無いんだぜ!
こんないいポイントは滅多にない!
このポイントで粘ってみるべきだ!
もう、諦めるのか!?」
・・・その声も、まるで耳に入らないかのように黙ってアイドリングさせながら
輝幸は周りの山々を見まわした。
その目は少年のそれのように、澄んだ輝きを帯びていた。
そして、山と山が少し重なり合って湖の方向に伸びている尾根を見つけた。
絶妙な距離で湖に向かって稜線が沈み込んで行っている。
輝幸はその方向にぐっとハンドルを切って
いきなりフルスロットルをくれてやった!
準備の出来ていなかった吉田は、危うく振り落とされそうになったが
なんとかシートにしがみついた。
ワームケースが一個と、スピニングロッドが一本吹っ飛んで行った!
それでもお構いなしに突っ走る!
まさに荒馬の如く・・・・・。
NO-FISH・過去記事
連載小説 ”NO-FISH”|
1:第一章 プロローグ|
2:|
3:第二章 デビュー|
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5:|
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7:|
8:|
9:|
10:|
11:|
12:|
13:|
14:|
15:第三章 ミラクルバシング|
16:|
17:第四章 ライトゲーム|
18:|
19:|
20:|
21:|
22:|
23:|
24:|
25:|
26:|
27:|
28:|
29:|
30:|
31:第五章 ハイテク バシング|
32:|
33:|
34:|
35:|
36:第六章 リトルアングラー|
37:|
38:|
39:第七章 老人|
40:|
41:|
42:|
43:第八章 迷い・・・・|
44:|
45:|
46:|
47:|
48:|
49:|
50:|
51:第九章 フロック?|
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53:|
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55:|
56:|
57:|
58:|
59:|
60:|
61:|
62:|
63:|
64:|
65:第十章 最後の決戦|
66:|
67:|
68:|
69:十章 第二節 プレッシャー|
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71:|
72:|
73:|
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75:|
76:|
77:|
78:|
79:|
80:|
81:十章 第三節 懐かしいパワー|
82:|
83:|
84:|
85:十章 第四節 スーパーランカー|
86:|
87:|
88:|
89:|
90:|
91:|
92:|
93:|
94:|
95:最終章 ノーフィッシュ|
96:|
97:|
98:最終話|
99:あとがき|
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