しかしその後、そのポイント付近では35cm以下の
ノンキーパーが続出し、今回はブッチギリ優勝しないと
総合チャンピオンの目がない輝幸には
もっと大物を求めて、ボートを別のポイントに進めなければならなかった。
対する磯村は、今日は守りの釣りに入っていた。
ほぼチャンピオンは間違いないとはいえ、ライバルにも逆転の
可能性が残っている以上、油断は禁物である。
磯村も今年のチャンピオン獲得に異常な執念を燃やす男の一人である。
ここは確実に3位以内に入って、チャンピオン獲得と行きたいところだ。
決して無理な勝負には出ず、堅くキーパーを揃えて行く作戦だ。
ベテラン磯村にとって、そんな事は簡単なことであったし
最終戦のプレッシャーはあるが、そこは年季が違う。
午前中に40cmを含むリミットの5匹を達成していた。
彼に釣りは輝幸とは正反対のものだった。
スピニングタックルを多用し、理詰めで釣っていくタイプだ。
バスプロの間では”プロフェッサー”と呼ばれていた。
彼は、偶然のランカーなどは全くアテにせず、リミットを確実に
揃えて行く、典型的なトーナメントバサーだ。
ぶっちぎりの優勝や、大物賞などはあまりなかったが
気付いてみれば必ず上位入賞している・・・・
という渋いプロである。
NO-FISH・過去記事
連載小説 ”NO-FISH”|
1:第一章 プロローグ|
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3:第二章 デビュー|
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15:第三章 ミラクルバシング|
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17:第四章 ライトゲーム|
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31:第五章 ハイテク バシング|
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36:第六章 リトルアングラー|
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39:第七章 老人|
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42:|
43:第八章 迷い・・・・|
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51:第九章 フロック?|
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65:第十章 最後の決戦|
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69:十章 第二節 プレッシャー|
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81:十章 第三節 懐かしいパワー|
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85:十章 第四節 スーパーランカー|
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95:最終章 ノーフィッシュ|
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98:最終話|
99:あとがき|
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