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10秒ほどのブランクの後、ロッドをほんの少し煽ってやる。
すると、水中のジグはあたかもザリガニが後ろっとびをするように
ぴょこんとアクションする。

バスが居れば、この最初のワンアクションで大抵喰いつくはずである。

・・・・しかし、何の反応もなかった・・・・。

また、10秒ほど何もせずじっとしておいて次のアクションに
入ろうとした瞬間!

ラインが、すーっと横に走りだした!
完全にバスがジグを呑み込んだまま泳ぎ出したのである!

すかさずアワセをくれてやり、グッとロッドを絞り込む!
「ビンゴっ!」
いつもの決めゼリフをはいて輝幸は、これまたいつもの調子で
ぐいぐいとリールを回し始めた。

・・・・結構な手応えだ・・・・

ドラグをきつめに締めているせいもあって、その抵抗感はロッドに
もろに伝わってくる。
下へ下へ潜ろうとする大型バス特有の抵抗である。

さすがに琵琶湖のバスである。
そう簡単に上がっては来なかった。
あと数メートルまで寄せてきた所で、ギラリと白い腹を見せて
反転し、また潜ろうとした。

それを輝幸はロッドアクションので、あっさりとかわす。
並みのプロなら今の一撃でバラしていただろう。

今のが最後の抵抗であった・・・。
後は意外とあっさり上がってきた。
しかし、慎重にハンドランディングして船内に引き入れる。

43cmの見事なランカーだった。


2008年8月26日(火)

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