ロッドを取り出す手が少し汗ばんでいた・・・
ロッドストレイジから、6・6フィートのピッチングロッドを取り出し
ラインの先端に少し大きめのラバージグにトレーラーとして
クローワームを取り付けたジグを結びつけた。
フィッシュフォーミュラをたっぷりと振りかけられ、ヌラヌラと
赤く光るそのワームは、まさに湖底を這うザリガニそのものだった。
大型バスにとってザリガニは一番の好物であり、この時期
ディープウォーターを攻めるには、有効かつ不可欠なルアーである。
ロッドを右手に、ジグを左手に持って、アンダースローでジグを
ポイントにそっと送り込むようにキャストする。
水面上10cmの所を、まっすぐ15m程飛んで、ジグは
本当に何の音も立てずに着水、水中に引き込まれていく。
今、ジグが着水した点の真下には、そのポイントがあるはずである。
リールをフリーにしてジグをまっすぐ落とし込む。
フォーリング中に喰ってくることもあるので、ラインの動きには
最新の注意を払っている。
・・・7秒のカウントダウンで、ジグは湖底に着底した。
今ジグは、オモリを下に・・ちょうどザリガニが相手を威嚇するときに
ハサミを振り上げる格好で立っているはずである。
ハサミをユラユラと振り上げて、バスを誘っているにちがいない・・・
NO-FISH・過去記事
連載小説 ”NO-FISH”|
1:第一章 プロローグ|
2:|
3:第二章 デビュー|
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8:|
9:|
10:|
11:|
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14:|
15:第三章 ミラクルバシング|
16:|
17:第四章 ライトゲーム|
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22:|
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30:|
31:第五章 ハイテク バシング|
32:|
33:|
34:|
35:|
36:第六章 リトルアングラー|
37:|
38:|
39:第七章 老人|
40:|
41:|
42:|
43:第八章 迷い・・・・|
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49:|
50:|
51:第九章 フロック?|
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65:第十章 最後の決戦|
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69:十章 第二節 プレッシャー|
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81:十章 第三節 懐かしいパワー|
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85:十章 第四節 スーパーランカー|
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95:最終章 ノーフィッシュ|
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97:|
98:最終話|
99:あとがき|
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