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輝幸は、プラクティスであらかじめ決めていたポイント近くで
モンスターのエンジンをストップさせた。
スキーターは停止するときにもその船首を高々と持ち上げる。
まるで、あのフェラーリのエンブレム・・・プランシングホース
そのものであった。
エンジンを止めると、辺りには静寂が戻ってきた。
時計はまだ7時を指していた。
エレクトリックモーターを静かに湖面に降ろし
魚探のスイッチを入れる・・・・
・・ブーン・・・という音と共に、コンピューターが立ち上がり
色々なチェックの後、モニターには湖底の様子を3次元に映し出す
画面が、鮮やかに表れた。
それはまるで、生えている藻の一本一本まで映し出されているようだった。
当の輝幸本人も、その鮮やかさにしばらく見入った程だ・・・
半径15mの様子を映し出すモニターは、岸から3m・・・5m・・
7m・・・・そして15mへと一気に沈み込むかけ上がりの地形を鮮明に
映し出していた。
水温は5mラインで10℃、15mラインで9℃と比較的安定していた。
風はこの時期にしては穏やかであったが、それでも3mくらいはあるだろうか。
湖面にはおあつらえむきのさざ波が立っていた。
21フィートの巨体は、少々の風にはビクともしなかった。
船上は本当に快適だった。
そのせいもあってか、輝幸は不思議なくらい落ち着いていた。
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連載小説 ”NO-FISH”|
1:第一章 プロローグ|
2:|
3:第二章 デビュー|
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9:|
10:|
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15:第三章 ミラクルバシング|
16:|
17:第四章 ライトゲーム|
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31:第五章 ハイテク バシング|
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36:第六章 リトルアングラー|
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39:第七章 老人|
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43:第八章 迷い・・・・|
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51:第九章 フロック?|
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65:第十章 最後の決戦|
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69:十章 第二節 プレッシャー|
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81:十章 第三節 懐かしいパワー|
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85:十章 第四節 スーパーランカー|
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95:最終章 ノーフィッシュ|
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97:|
98:最終話|
99:あとがき|
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