30分ほどフルスロットルで駆け続けた輝幸のスキーターは
もう奥琵琶湖 大浦のあたりまで来ていた。
あまりに広い日本最大の湖 琵琶湖でのトーナメントでは
ポイントの絞り込みが一番大切になってくる。
数あるストラクチャーパターンの中でも、絞り込まなければ
どっちつかず中途半端で、結局なんの成果も上げられない
・・・ということになりかねない。
計量所からあまり遠いポイントでは、移動に時間がかかり過ぎ
不利であるが、輝幸は迷わずこのポイントを選択した。
最高速140km/hを誇る、彼のスキーターがあってこその
選択である。
彼が、ここ遠く奥琵琶湖のクリアなディープウォーターをポイントに
選んだのは、当然理由がある。
ここ、大浦はランカーの確率は高いが、フィッシングプレッシャーは
高く、クリアウォーターで攻めにくいポイントである。
しかし、磯村に1kg以上の差を開けて優勝しないと
チャンピオンを獲得できない輝幸にとっては、ここ大浦が
唯一無二のポイントだったのだ。
磯村はもう少し計量所に近い、沖島あたりをポイントに選んだようだ。
ここのポイントは、とにかく数が上がる。
一発のランカーこそ少ないが、着実にポイント狙いの
磯村らしい選択だ。
もちろん、他のプロたちも狙い目にはしていたのだが・・・・
とにもかくにも輝幸は、磯村・・・長谷部との勝負もさることながら
自分の釣りをするしかなかった。
今日の輝幸にはそれが出来るほどの集中力もあったし
何よりも、他を圧倒するハイテク装備という強い味方があった。
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1:第一章 プロローグ|
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3:第二章 デビュー|
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15:第三章 ミラクルバシング|
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17:第四章 ライトゲーム|
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31:第五章 ハイテク バシング|
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36:第六章 リトルアングラー|
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39:第七章 老人|
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43:第八章 迷い・・・・|
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51:第九章 フロック?|
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69:十章 第二節 プレッシャー|
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81:十章 第三節 懐かしいパワー|
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