66:

← 65:第十章 最後の決戦 | fish | 67: →

スキーターS175 LTD・・・・
175馬力から190馬力にチューンナップされたV6エンジンを
搭載する21フィートの怪物は、まさに他を圧倒するものであった。

今までよりも更に精度が高められた魚群探知機を
前部デッキに一台・・・運転席に一台・・・後部デッキに一台。
水深ごとのわずかな温度差を検知する水温検出器。
水の酸性度をチェックするPhメーター。
魚の活性を判断し、その日のベストなルアーパターンや
ポイントなどを解析するオンボードコンピューター。
更には、水中からのバスボートの影をほぼ完全に消しさってしまう
特殊ペイント。
限りなく無音に近いエレクトリックモーターなど・・・・・

まさしくモンスターと呼ぶにふさわしいものであった。

辺りの静寂は、そのモンスターのひと吼えでいっぺんに破られてしまった。
甲高いV6サウンドは、陸上でこそものすごい音を発するが、特殊フィルター
によって、水中に拡散する音は低く抑えられている。

午前6時丁度。
スタート15分前である。

琵琶湖西岸、近江舞子アリーナに出場21台のバスボートが勢ぞろいした。


2008年8月13日(水)

NO-FISH・過去記事
連載小説 ”NO-FISH”1:第一章 プロローグ2:3:第二章 デビュー4:5:6:7:8:9:10:11:12:13:14:15:第三章 ミラクルバシング16:17:第四章 ライトゲーム18:19:20:21:22:23:24:25:26:27:28:29:30:31:第五章 ハイテク バシング32:33:34:35:36:第六章 リトルアングラー37:38:39:第七章 老人40:41:42:43:第八章 迷い・・・・44:45:46:47:48:49:50:51:第九章 フロック?52:53:54:55:56:57:58:59:60:61:62:63:64:65:第十章 最後の決戦66:67:68:69:十章 第二節 プレッシャー70:71:72:73:74:75:76:77:78:79:80:81:十章 第三節 懐かしいパワー82:83:84:85:十章 第四節 スーパーランカー86:87:88:89:90:91:92:93:94:95:最終章 ノーフィッシュ96:97:98:最終話99:あとがきNO-FISH