どんよりと重く垂れこんだ灰色の雲・・・・。
その雲に押し包まれるように、辺りの空気も重く
独特の緊張感が漂っていた。
超一流のプロ達の技と力と、そして誇りを賭けた
全日本バスフィッシングトーナメントも、いよいよ最終戦を迎えた。
チャンピオン争いは熾烈を極め、ほかのトーナメントでは考えられない
高度な戦いが繰り広げられていた。
現在ランキングトップは、日本を代表するバスプロ ベテランの磯村省吾。
2位には、若手でこれからを期待されている長谷部進次。
そして、3位には今年初参戦となる新人、藤野輝幸というオーダーだ。
チャンピオン争いは完全にこの3人に絞られているが
この日本一のバスレイク琵琶湖には、最終戦をぜひとも優勝で飾りたい
とするバスプロ達の執念の様なものが渦巻いて
華やかである反面、なにやらうすら寒い様な
異様な雰囲気であった。
10月も30日となれば夜が明けるのはかなり遅い。
まだ暗いうちから各プロ達はボートの整備や
タックルの最終チェックに余念がない。
ギャラリーも多く詰めかけてはいたが、その賑わいとは裏腹に
なにか独特の静寂感に包まれていた。
輝幸はこの琵琶湖に、とてつもないモンスターを投入してきた。
NO-FISH・過去記事
連載小説 ”NO-FISH”|
1:第一章 プロローグ|
2:|
3:第二章 デビュー|
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5:|
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8:|
9:|
10:|
11:|
12:|
13:|
14:|
15:第三章 ミラクルバシング|
16:|
17:第四章 ライトゲーム|
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22:|
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27:|
28:|
29:|
30:|
31:第五章 ハイテク バシング|
32:|
33:|
34:|
35:|
36:第六章 リトルアングラー|
37:|
38:|
39:第七章 老人|
40:|
41:|
42:|
43:第八章 迷い・・・・|
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47:|
48:|
49:|
50:|
51:第九章 フロック?|
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65:第十章 最後の決戦|
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68:|
69:十章 第二節 プレッシャー|
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78:|
79:|
80:|
81:十章 第三節 懐かしいパワー|
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83:|
84:|
85:十章 第四節 スーパーランカー|
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91:|
92:|
93:|
94:|
95:最終章 ノーフィッシュ|
96:|
97:|
98:最終話|
99:あとがき|
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