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しかし、そこまで考えて輝幸はブルブルと頭を振った。

「どうかしてるぜ!
 今日のバスも、全部俺が釣ったんだ!
 釣れたんじゃない!
 あのディープにしたって、魚探がなければ見つかってなかった!
 確かに、あのランカーはツイていたよ。
 でも、運も実力のうちって言うじゃないか!
 そう!今日俺は自分自身の力で二位になったんだ!」

と勝手に自分に言い聞かせてしまった。

輝幸は、ここ銀山湖でマイボートを使わないことを利用して
更に最新のテクノロジーを、彼のスキーターに搭載していた。
最終戦、琵琶湖では、誰も見たことがないような
スーパーハイテクボートで、もちろん優勝を狙っていた。

新しい装備は、確かに最強と言うにふさわしいものであった。
そして、それを完全に使いこなせる腕を持っていたし
それは、何よりも強い・・・そして唯一の味方であった。

しかし・・・・彼は全く気付いていなかった。
今日、最後にランカーを釣ったあの釣りこそ、彼本来の釣りであることに・・・
その超能力とも言うべき力が、徐々に戻ってきている・・・・と言うことに。


2008年8月 8日(金)

NO-FISH・過去記事
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