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いや・・・はっきりと過信していた。
老釣り師の言うとおり、魚探のスクリーンしか見えていなかった。

狭いとはいえ、立派な湖である。
魚探の狭い視野を頼りにポイントを探すなど不可能に近かった。
何度も湖に通ってだんだん的を絞っていくのが正道である。
それが出来ないのなら、情報を仕入れるのが方法である。

本来の・・・昔の魚探を持たない頃の輝幸ならば
山の形や尾根の方向によって、湖底の状態をも推測出来たのだが
今の輝幸には機械の目を通してしか、湖が見れなくなってしまっていたのだ。

そんな彼に湖底の全体の様子など分かるはずもなく
ただこのポイントには立木が沈んでいる・・だとかそのような
断片的な情報しか得られなくなっていたのだ。

しかし、今日の輝幸はツイていた。
ただ闇雲にあちこち走りまわっていただけであるが
その結果辿り着いたポイントは、よだれの出るようなグッドポイントであった。
水深3mから一気に10mまでドロップオフするかけ上がりで
斜面には小さな立木が無数に生えていた。

従来の魚探では立木の有無までは見えなかったが、彼の魚探では
湖底の様子が手に取るようにわかった。
時には泳いでいるバスの姿そのものを捉えることができるほど
鮮明な画像であった。


2008年8月 4日(月)

NO-FISH・過去記事
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