いや・・・はっきりと過信していた。
老釣り師の言うとおり、魚探のスクリーンしか見えていなかった。
狭いとはいえ、立派な湖である。
魚探の狭い視野を頼りにポイントを探すなど不可能に近かった。
何度も湖に通ってだんだん的を絞っていくのが正道である。
それが出来ないのなら、情報を仕入れるのが方法である。
本来の・・・昔の魚探を持たない頃の輝幸ならば
山の形や尾根の方向によって、湖底の状態をも推測出来たのだが
今の輝幸には機械の目を通してしか、湖が見れなくなってしまっていたのだ。
そんな彼に湖底の全体の様子など分かるはずもなく
ただこのポイントには立木が沈んでいる・・だとかそのような
断片的な情報しか得られなくなっていたのだ。
しかし、今日の輝幸はツイていた。
ただ闇雲にあちこち走りまわっていただけであるが
その結果辿り着いたポイントは、よだれの出るようなグッドポイントであった。
水深3mから一気に10mまでドロップオフするかけ上がりで
斜面には小さな立木が無数に生えていた。
従来の魚探では立木の有無までは見えなかったが、彼の魚探では
湖底の様子が手に取るようにわかった。
時には泳いでいるバスの姿そのものを捉えることができるほど
鮮明な画像であった。
NO-FISH・過去記事
連載小説 ”NO-FISH”|
1:第一章 プロローグ|
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3:第二章 デビュー|
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15:第三章 ミラクルバシング|
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17:第四章 ライトゲーム|
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31:第五章 ハイテク バシング|
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36:第六章 リトルアングラー|
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39:第七章 老人|
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43:第八章 迷い・・・・|
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51:第九章 フロック?|
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65:第十章 最後の決戦|
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69:十章 第二節 プレッシャー|
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81:十章 第三節 懐かしいパワー|
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85:十章 第四節 スーパーランカー|
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95:最終章 ノーフィッシュ|
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98:最終話|
99:あとがき|
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