54:

← 53: | fish | 55: →

バグリーのバングオー・スピナーは、4インチの
小魚そっくりのミノーと呼ばれるプラグで
尾っぽの所にスクリューが付いていて
リーリングすると、ジャーという音を発してバスを誘う。
水面下15cm程しか潜らないこのプラグは
トップウォータープラグとして、輝幸が最も信頼するルアーである。

このプラグの微妙な・・・そう、あたかも傷ついた小魚のような
アクションを演出するには、グラスロッドのような粘りのある調子が
必要不可欠なのである。

ロッドの弾力を利用して、軽く鋭くキャストする。

どんなルアーを使う時もそうであるが、特にトップウォータープラッギング
の場合は、派手な着水音は絶対に禁物である。

限界いっぱいのキャストはせず、余力を残しソフトプレゼンテーションに
全神経を集中させる。

彼のバングオーは、一番大きな流木の1mほど向こうに音もなく着水した。

雨が降っていなかったら、美しい波紋が広がっているところであるが・・・・。

10秒程のポーズをとって、それからロッドアクションでチョンチョンと引いてくる。
バングオーは、ジャッジャッっと小さく呟いて、アクションの度に
10cmほど水中に頭を突っ込んだ。

そして、4回目のアクションで流木の真横に辿り着いた・・・・。


2008年7月28日(月)

NO-FISH・過去記事
連載小説 ”NO-FISH”1:第一章 プロローグ2:3:第二章 デビュー4:5:6:7:8:9:10:11:12:13:14:15:第三章 ミラクルバシング16:17:第四章 ライトゲーム18:19:20:21:22:23:24:25:26:27:28:29:30:31:第五章 ハイテク バシング32:33:34:35:36:第六章 リトルアングラー37:38:39:第七章 老人40:41:42:43:第八章 迷い・・・・44:45:46:47:48:49:50:51:第九章 フロック?52:53:54:55:56:57:58:59:60:61:62:63:64:65:第十章 最後の決戦66:67:68:69:十章 第二節 プレッシャー70:71:72:73:74:75:76:77:78:79:80:81:十章 第三節 懐かしいパワー82:83:84:85:十章 第四節 スーパーランカー86:87:88:89:90:91:92:93:94:95:最終章 ノーフィッシュ96:97:98:最終話99:あとがきNO-FISH