こんな小さな湖である・・・。
かえって、輝幸の巨大なスキーターは邪魔である。
12フィートのアルミ製”シーニンフ”で十分事足りた。
幸い、少し風は出てきたものの、波はさほど大きくない。
9・9馬力のエンジンでトロトロと(彼のスキーターに比べてである
実際には、かなり飛ばしているのであるが・・・・)
あらかじめ決めていたポイントに向かう。
山の中の湖らしく、緑色に輝く湖面は降りしきる小雨に叩かれて
すこし白っぽく見えた。
100mほど向こうで、おおきなライズが一つ上がった。
それは無視して彼は、流木や浮遊物がたまっているワンド(入り江)の
奥へとボートを進めた。
魚をびっくりさせないように、ワンドの入口からはエンジンを切り
エレクトリックモーターで、滑るように進んでいく。
その手には、6・6フィートのグラスファイバーのロッドを持っていた。
・・・・ボロンやIM6といった新素材を使ったロッドが全盛のこの時代に
年代物のグラスロッドを持つのには、ちゃんと理由があった。
彼は、流木のすぐ下に付いているバスを、トップウォータープラグで
狙うつもりでいた。
NO-FISH・過去記事
連載小説 ”NO-FISH”|
1:第一章 プロローグ|
2:|
3:第二章 デビュー|
4:|
5:|
6:|
7:|
8:|
9:|
10:|
11:|
12:|
13:|
14:|
15:第三章 ミラクルバシング|
16:|
17:第四章 ライトゲーム|
18:|
19:|
20:|
21:|
22:|
23:|
24:|
25:|
26:|
27:|
28:|
29:|
30:|
31:第五章 ハイテク バシング|
32:|
33:|
34:|
35:|
36:第六章 リトルアングラー|
37:|
38:|
39:第七章 老人|
40:|
41:|
42:|
43:第八章 迷い・・・・|
44:|
45:|
46:|
47:|
48:|
49:|
50:|
51:第九章 フロック?|
52:|
53:|
54:|
55:|
56:|
57:|
58:|
59:|
60:|
61:|
62:|
63:|
64:|
65:第十章 最後の決戦|
66:|
67:|
68:|
69:十章 第二節 プレッシャー|
70:|
71:|
72:|
73:|
74:|
75:|
76:|
77:|
78:|
79:|
80:|
81:十章 第三節 懐かしいパワー|
82:|
83:|
84:|
85:十章 第四節 スーパーランカー|
86:|
87:|
88:|
89:|
90:|
91:|
92:|
93:|
94:|
95:最終章 ノーフィッシュ|
96:|
97:|
98:最終話|
99:あとがき|
NO-FISH