このバラシで輝幸は、完全にリズムを失ってしまった。
焦って同じポイントにキャストするが
キャストミスで大きな音を立ててしまった。
着水してからもチグハグなリーリングで
全くバスを誘えるようなアクションは付けられなかった。
そのポイントをあっさり諦め、乱暴にエンジンをかけて
必要以上に猛スピードで他の場所に移動しても
結果は同じだった・・・・。
どんなに場所を変えても、バラバラのリズムでルアーを引いたって
アピールできるはずがない・・・・。
だだ引きできるバイブレーションプラグでさえも
そんなに甘いものではなかった・・・。
単調なウォブリングアクションに喰いついてくるのは
30cm前後のヤングバスばかりであった。
好奇心旺盛なヤングバスは、条件さえ揃えば
そんなルアーにでも喰いついてくる。
・・・今やそんなバスにしか輝幸のルアーは
相手にされない・・・ということだ・・・・。
一方の磯村省吾であるが・・・・・
彼もまた、苦戦を強いられていた。
彼はベテランであるが故に、考え過ぎていたのである。
パターン・システムに固執するあまり、
単純な基本を忘れてしまっている様であった。
あまりにも好条件が揃い過ぎて、魔が差したとしか言いようがなかった。
同じく彼もリズムを狂わせていた一人だったのだ。
NO-FISH・過去記事
連載小説 ”NO-FISH”|
1:第一章 プロローグ|
2:|
3:第二章 デビュー|
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5:|
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8:|
9:|
10:|
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15:第三章 ミラクルバシング|
16:|
17:第四章 ライトゲーム|
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30:|
31:第五章 ハイテク バシング|
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36:第六章 リトルアングラー|
37:|
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39:第七章 老人|
40:|
41:|
42:|
43:第八章 迷い・・・・|
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49:|
50:|
51:第九章 フロック?|
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65:第十章 最後の決戦|
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69:十章 第二節 プレッシャー|
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81:十章 第三節 懐かしいパワー|
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85:十章 第四節 スーパーランカー|
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95:最終章 ノーフィッシュ|
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98:最終話|
99:あとがき|
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