この日の奈良県地方は、台風が接近していることもあって
いわゆる、嵐の前の静けさ・・・・・
波は静かであるが、気圧は低く薄曇り・・・・と
一年に何日もない、フィッシングにはこれ以上ない
最高のコンディションだった。
これが、冷たい雨でも降っていたら、輝幸の精神状態は
最悪だったであろう。
うっすらと霧がかかり、トーナメント中とは思えないくらい
静まり返った湖面を見つめていると、
今日は絶対に釣れる・・・という予感というか
自信めいたものが沸々とわき上がってくる。
・・・・・まぁ、他のプロ達もそう思ってるに違いないが・・・・・
誰にとっても、絶好のコンディションであることは確かである。
こんな日は、でっかいルアーで、でっかいバスから
ドンドン釣っていくに限る。
気圧が低いと、バスは積極的に口を使うようになる。
動くもの、特に激しく動く物に興味を示すのである。
輝幸は迷うことなく、ビッグウィローリーフの大きな
スピナーベイトを、タックルボックスから取り出した。
キラキラと光り輝くブレードが大小二枚ついた
イエローカラーのそれは、”本当にこんなでっかい金属片に
魚が喰いつくんだろうか?”と思うほどである。
そいつを、クランキング用のロングロッドに14ポンドラインで結んで
大胆に、ビューっと遠投した。
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連載小説 ”NO-FISH”|
1:第一章 プロローグ|
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3:第二章 デビュー|
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15:第三章 ミラクルバシング|
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17:第四章 ライトゲーム|
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31:第五章 ハイテク バシング|
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36:第六章 リトルアングラー|
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39:第七章 老人|
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43:第八章 迷い・・・・|
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51:第九章 フロック?|
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65:第十章 最後の決戦|
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69:十章 第二節 プレッシャー|
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81:十章 第三節 懐かしいパワー|
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85:十章 第四節 スーパーランカー|
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98:最終話|
99:あとがき|
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