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この日の奈良県地方は、台風が接近していることもあって
いわゆる、嵐の前の静けさ・・・・・
波は静かであるが、気圧は低く薄曇り・・・・と
一年に何日もない、フィッシングにはこれ以上ない
最高のコンディションだった。

これが、冷たい雨でも降っていたら、輝幸の精神状態は
最悪だったであろう。

うっすらと霧がかかり、トーナメント中とは思えないくらい
静まり返った湖面を見つめていると、
今日は絶対に釣れる・・・という予感というか
自信めいたものが沸々とわき上がってくる。

・・・・・まぁ、他のプロ達もそう思ってるに違いないが・・・・・

誰にとっても、絶好のコンディションであることは確かである。

こんな日は、でっかいルアーで、でっかいバスから
ドンドン釣っていくに限る。
気圧が低いと、バスは積極的に口を使うようになる。
動くもの、特に激しく動く物に興味を示すのである。

輝幸は迷うことなく、ビッグウィローリーフの大きな
スピナーベイトを、タックルボックスから取り出した。
キラキラと光り輝くブレードが大小二枚ついた
イエローカラーのそれは、”本当にこんなでっかい金属片に
魚が喰いつくんだろうか?”と思うほどである。
そいつを、クランキング用のロングロッドに14ポンドラインで結んで
大胆に、ビューっと遠投した。


2008年7月15日(火)

NO-FISH・過去記事
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