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鏡のような湖面を切り裂き、ポイントへ向かう
全速力のスキーターボートのドライバーズシートで
輝幸は、一か月前に琵琶湖で老釣り師に言われた
言葉を、心の中で繰り返していた。

「お前の眼に映っているのは魚ではなく
 魚探のスクリーンだ・・・・・」

ここのところ一ヶ月間の間・・・
特にトーナメントのプラクティスで池原入りした一週間
というもの、その言葉が片時も頭から離れなかった。

父親の死の事・・・
トーナメントの不振・・・
いろいろな悪条件が重なって、気合も空回りの感がある・・。

結局、老釣り師の言葉も・・・

「へっ、結局あの爺さんの言ってることも
 マスコミ連中が言ってる事と変わりないじゃないか!
 みんなひがんでるんだ!
 俺は、この装備に自信を持ってるんだ。
 高い金がかかってるんんだから、それを駆使して何が悪い!
 釣れない奴のひがみなんか、いちいち聞いてられるか!」

と、頭から無理やり払いのけてしまった・・・・

とにかく、第四戦・・・池原ダム大会はスタートしたのである。


2008年7月14日(月)

NO-FISH・過去記事
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