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「余計な事を喋りすぎたようだ・・・・
じゃ・・私は行くよ・・・
あぁ、最後に君に言っておきたいことがあるんだ・・。
今の君の目に写ってるのは魚なんかじゃない・・・
その、最新鋭だかなんだか知らないが、魚探のスクリーン
だけなんじゃないかな?
もっと、自分自身に目を向けてごらん・・。
そうすれば、今まで見えなかった物が見えてくるはずだ。
そう・・・思い出すんだ・・・・本当の自分を・・・・」
そう言い残して、老人は音もなく去って行った。
しばらく老人の言葉を噛みしめていた輝幸は
ふと思い出したように、先ほど老人が釣っていたポイントに
向ってボートを進めた。
・・・・いかにも釣れそうなグッドポイントである・・・・
そこで暫く、あらゆるルアー、テクニックで釣ってみた。
しかし、老人が使っていたクランクベイトを引いても
ワームを使ってみても、他のどんなルアーを使っても
小さなアタリ一つなかった・・・。
輝幸は、ふぅーっと大きな溜息をついて
老人が消えていった方向を見返してエレクトリックモーターを
強引に湖面から引き上げると
「今日は日が悪い!
あんな爺さんに釣れて、俺に釣れないなんて・・・・」
と呟き、スキーターS175リミテッドのV6エンジンに火を入れた。
全速力でマリーナに向かう輝幸を嘲り笑うかのように
老人のポイントで一つ・・・ライズがあった・・・・・
NO-FISH・過去記事
連載小説 ”NO-FISH”|
1:第一章 プロローグ|
2:|
3:第二章 デビュー|
4:|
5:|
6:|
7:|
8:|
9:|
10:|
11:|
12:|
13:|
14:|
15:第三章 ミラクルバシング|
16:|
17:第四章 ライトゲーム|
18:|
19:|
20:|
21:|
22:|
23:|
24:|
25:|
26:|
27:|
28:|
29:|
30:|
31:第五章 ハイテク バシング|
32:|
33:|
34:|
35:|
36:第六章 リトルアングラー|
37:|
38:|
39:第七章 老人|
40:|
41:|
42:|
43:第八章 迷い・・・・|
44:|
45:|
46:|
47:|
48:|
49:|
50:|
51:第九章 フロック?|
52:|
53:|
54:|
55:|
56:|
57:|
58:|
59:|
60:|
61:|
62:|
63:|
64:|
65:第十章 最後の決戦|
66:|
67:|
68:|
69:十章 第二節 プレッシャー|
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71:|
72:|
73:|
74:|
75:|
76:|
77:|
78:|
79:|
80:|
81:十章 第三節 懐かしいパワー|
82:|
83:|
84:|
85:十章 第四節 スーパーランカー|
86:|
87:|
88:|
89:|
90:|
91:|
92:|
93:|
94:|
95:最終章 ノーフィッシュ|
96:|
97:|
98:最終話|
99:あとがき|
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