「あぁ・・・よく知ってるよ・・・・
お前の親父も昔は自然を心から愛する人間だった・・・
二人でよく釣りに行ったもんさ・・・
あの日まではな・・・・」
「あの日?・・・
あの日って・・・親父が死んだ日ですか?・・」
「そうだな・・・・あの日だよ・・・。
それまで二人で楽しんでた釣りが、いつの日からか
生活のための釣り・・・・競い合う釣りになってしまってた
お前の親父は、本当に釣りが上手かった。
あいつを殺したのは、俺かもしれんな・・・・」
「そ、それはどういう事です?
親父は事故死じゃないんですか?!」
「あぁ、確かに悲しい事故だったよ・・・
あの日、お前の親父にルアーには全くバスは喰いつかなかった。
あいつは人一倍プライドが高い男だった。
自分が立ち上げたトーナメントの初戦で
何が何でも勝つんだって、それは異常な執念だった・・・・
私はそんなに気負いもなかったんで、かえって調子良く釣っていたが
あいつは、それはそれは焦ってたんだろうなぁ。
残り10分というところで、ようやくランカーを釣りあげて
急いで帰ろうとしたとたん、でっかい波にさらわれて・・・・・
あっという間だった・・・・
どうしようもなかった・・・・
私もすぐ後ろを走ってたんだよ。
でも、どうしようもなかった・・・・
あいつは、いつも言ってた・・
お前だけには絶対負けない!
いつかトーナメントをつくって、そこで決着をつけよう!ってな。
あいつを殺したのは、この私かもしれないんだよ・・・・」
「そうだったんですか・・・・・」
NO-FISH・過去記事
連載小説 ”NO-FISH”|
1:第一章 プロローグ|
2:|
3:第二章 デビュー|
4:|
5:|
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7:|
8:|
9:|
10:|
11:|
12:|
13:|
14:|
15:第三章 ミラクルバシング|
16:|
17:第四章 ライトゲーム|
18:|
19:|
20:|
21:|
22:|
23:|
24:|
25:|
26:|
27:|
28:|
29:|
30:|
31:第五章 ハイテク バシング|
32:|
33:|
34:|
35:|
36:第六章 リトルアングラー|
37:|
38:|
39:第七章 老人|
40:|
41:|
42:|
43:第八章 迷い・・・・|
44:|
45:|
46:|
47:|
48:|
49:|
50:|
51:第九章 フロック?|
52:|
53:|
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55:|
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57:|
58:|
59:|
60:|
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63:|
64:|
65:第十章 最後の決戦|
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67:|
68:|
69:十章 第二節 プレッシャー|
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77:|
78:|
79:|
80:|
81:十章 第三節 懐かしいパワー|
82:|
83:|
84:|
85:十章 第四節 スーパーランカー|
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87:|
88:|
89:|
90:|
91:|
92:|
93:|
94:|
95:最終章 ノーフィッシュ|
96:|
97:|
98:最終話|
99:あとがき|
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