元のパドルテールに戻そうか・・・・・
と思い始めていた。
やはり、小さくても釣れているパターンに・・・・
と、少し弱気になりかけていた・・・・
その時・・・・
・・・・・・コツン・・・・・・
ほんの小さな反応があった・・・!
このグラブに喰いついているのだから、今までよりは
デカいバスに違いない。
慎重にラインを少し張り気味にして、喰い気を誘う。
今度はスィープフッキングではなく、ピシッとジャストフッキングしてやった。
ググっとバスの重みがロッドに加わる。
「ビンゴっ!」
久しぶりに聞かれるそのセリフに、同乗のプレスも
ぴりっと緊張する。
驚くようなサイズのバスではないようだ・・。
しかし、久し振りのキーパーサイズには間違いないようだ。
いつもより少しだけ慎重に・・・・
それでも、他のプロ達よりは遥かに大胆に取り込む。
計ってみると33cm・・・
やはり、そんなにデカい奴ではなかった・・・・
さて・・・このバス・・・・
輝幸の勝負は、勝ったわけではなかった。
運よくこいつが”釣れた”だけであった。
その証拠に、その後プッツリと反応は無くなってしまった・・・。
なにはともあれ、ようやくリミットを達成した時には
計量の10分前であった。
計量時間に遅れると、マイナス何gとペナルティを課せられてしまう。
すぐさまエレクトリックモーターを引き上げ、175馬力のエンジンに火を入れる!
先ほどまでの静寂が一気に破られ、野獣の咆哮に似た爆音が
湖面を駆け抜ける。
乱暴に回頭して、船首を沖合に向けた。
フルスロットル・・・・
船首を高々と持ち上げ、加速するスキーター。
計量所まで、全開だ・・・・。
NO-FISH・過去記事
連載小説 ”NO-FISH”|
1:第一章 プロローグ|
2:|
3:第二章 デビュー|
4:|
5:|
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7:|
8:|
9:|
10:|
11:|
12:|
13:|
14:|
15:第三章 ミラクルバシング|
16:|
17:第四章 ライトゲーム|
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22:|
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30:|
31:第五章 ハイテク バシング|
32:|
33:|
34:|
35:|
36:第六章 リトルアングラー|
37:|
38:|
39:第七章 老人|
40:|
41:|
42:|
43:第八章 迷い・・・・|
44:|
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47:|
48:|
49:|
50:|
51:第九章 フロック?|
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65:第十章 最後の決戦|
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69:十章 第二節 プレッシャー|
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79:|
80:|
81:十章 第三節 懐かしいパワー|
82:|
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85:十章 第四節 スーパーランカー|
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94:|
95:最終章 ノーフィッシュ|
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97:|
98:最終話|
99:あとがき|
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