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素早くラインを交換すると輝幸は
すぐさま同じポイントに、音もなくクランクベイトを送り込んだ・・。
プレスは、”また、すぐ来るかも・・・・”と
今度こそカメラをしっかり持って、ピシっと緊張した。
しかし・・・相変わらずハイスピードで巻き取られていくベイトは
何事も無かったかのようにボートに向かっていた。
「そうそう上手くは行かないよ!」
・・・と輝幸が苦笑いをした瞬間!!
ガツンとした衝撃と共に、またもやロッドが大きく弧を描いた。
「ビンゴッ!!」
今度のヒットはボートから僅か10mほどの至近距離である。
さすがの輝幸もちょっとビックリした様子で
いつもヒットした時に思わず叫ぶ言葉も、すこし裏返ってしまった・・・。
しかし、それ以上にビックリしたのはプレスの方であった。
ヒットの瞬間をカメラに収めようと待ち構えていたのに
そのカメラを放り出してひっくり返ってしまっていた・・・。
さっきはランディングの瞬間を撮り逃し・・・・
今度はヒットの瞬間までも撮り逃してしまったのである・・・。
今回のバスは先ほどよりも幾分小さいようである。
それは、ロッドのしなり具合を見ても明らかであった。
それでも、パワーのあるこのロッドをこれだけ曲げてしまうのだから
相当なサイズには間違いない!
「こりゃ、40cm級だな・・・
でも、よく引きやがる!」
そう言いながら輝幸は、なおもハンドルを回す手を緩めようとしない!
先ほどビッグワンを仕留めている余裕もあるのであろう・・・
大胆にも更に磨きがかかった様である。
もうすぐそこまでバスは寄ってきている。
「プレスさん、今度はハンドランディングするから、しっかり撮りなよ!」
力の限り抵抗しながらも、もはやボート縁まで寄せられてしまったバスの
(それでも立派なランカーと言えるポットベリーな良型の威厳あるバスである)
顔をぐっと水面から持ちあげると、フッキングの状態を確認して
すっと親指を口にかけあっさり引き抜いた。
今度は十分にシャッターチャンスがあったために、その間中カメラの
モータードライブのカシャカシャという音が鳴り響いていた。
なんとスタートして、たったのツーキャストで52cmと45cmのランカーを
ゲットしてしまったのである。
プレスは興奮して輝幸に言った!!
「今日は全くなんて日なんだ!
たったのツーキャストですよ!
それに、こんな全く障害物も無いような所で・・・・・
全くあんたって人は・・・・・
運が良いのか・・それとも天才なのか・・・・?
まったく・・・・」
プレスには目もくれずにラインをチェックしていた輝幸は、
つぶやくように答えた・・・・
「俺には魚が見えるのさ!」
NO-FISH・過去記事
連載小説 ”NO-FISH”|
1:第一章 プロローグ|
2:|
3:第二章 デビュー|
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8:|
9:|
10:|
11:|
12:|
13:|
14:|
15:第三章 ミラクルバシング|
16:|
17:第四章 ライトゲーム|
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30:|
31:第五章 ハイテク バシング|
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35:|
36:第六章 リトルアングラー|
37:|
38:|
39:第七章 老人|
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41:|
42:|
43:第八章 迷い・・・・|
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49:|
50:|
51:第九章 フロック?|
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65:第十章 最後の決戦|
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69:十章 第二節 プレッシャー|
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81:十章 第三節 懐かしいパワー|
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85:十章 第四節 スーパーランカー|
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94:|
95:最終章 ノーフィッシュ|
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97:|
98:最終話|
99:あとがき|
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