そうこうしている間にもラインは、残り7m程まで
巻き取られていた。
その時・・・敵であるそいつは最後の抵抗とも思える
凄まじいジャンプを試みた。
「で・・・でかい・・・」
その姿を目の当たりにしたプレスが思わず叫ぶ。
彼らの前に初めて姿を見せたそいつは、
50cmを確実にオーバーする見事なバスであった。
DB-?のシャープなフックを確実にその上顎に通された
そいつに残された道は、もはや輝幸の手に取り込まれることしか
残っていなかった・・・・。
最後のジャンプをあっさりとそのロッドアクションでかわした輝幸は、
「俺の勝ちだ・・・」
と呟き、なおも強引にハンドルを巻き続けた。
力尽きたバスは、それでもなお威厳を保ちながら
ボート縁まで寄って来た。
明らかに50cmを超えている。
プレスが、輝幸がランカーをハンドランディングするところを
カメラに収めようと、首にかけたカメラに手を伸ばした瞬間・・・・
「あらよっ!」
という声と一緒にバスが、ボートの中に飛び込んできた・・・
何ということだろうか・・・・
50cmオーバーをゴボウ抜きである。
あまりに大胆で、あまりに華麗なランディング・・・・。
普通のバスプロならば、びびってしまってランディングネットでも
使おうか・・・という場面であっさりゴボウ抜きである・・・
ア然としているプレスの横でドタドタと跳ねまわっているバスの口に
親指を突っ込んで、プレスの前にぐっと突き出すと輝幸は
ニッコリ微笑みながらこう言った・・・・
「ホラ・・写真・・撮るんだろ・・・」
NO-FISH・過去記事
連載小説 ”NO-FISH”|
1:第一章 プロローグ|
2:|
3:第二章 デビュー|
4:|
5:|
6:|
7:|
8:|
9:|
10:|
11:|
12:|
13:|
14:|
15:第三章 ミラクルバシング|
16:|
17:第四章 ライトゲーム|
18:|
19:|
20:|
21:|
22:|
23:|
24:|
25:|
26:|
27:|
28:|
29:|
30:|
31:第五章 ハイテク バシング|
32:|
33:|
34:|
35:|
36:第六章 リトルアングラー|
37:|
38:|
39:第七章 老人|
40:|
41:|
42:|
43:第八章 迷い・・・・|
44:|
45:|
46:|
47:|
48:|
49:|
50:|
51:第九章 フロック?|
52:|
53:|
54:|
55:|
56:|
57:|
58:|
59:|
60:|
61:|
62:|
63:|
64:|
65:第十章 最後の決戦|
66:|
67:|
68:|
69:十章 第二節 プレッシャー|
70:|
71:|
72:|
73:|
74:|
75:|
76:|
77:|
78:|
79:|
80:|
81:十章 第三節 懐かしいパワー|
82:|
83:|
84:|
85:十章 第四節 スーパーランカー|
86:|
87:|
88:|
89:|
90:|
91:|
92:|
93:|
94:|
95:最終章 ノーフィッシュ|
96:|
97:|
98:最終話|
99:あとがき|
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