イグニッション オン!
ブルッ・・ブルッとヤマハ製V型6気筒 175馬力のエンジンは
二度身震いして息を吹き込まれた。
2度・3度とアクセルギアを絞り込む。
ウァァーン・・・ウァァァーーン・・・
力強い咆哮が辺りの静寂を破る。
ウァァァーン・・・ウァァァァーン・・
さらに少しだけ回転を上げアイドリングさせる。
5・6分の暖気運転でエンジンの回転数は約1000回転に落ち着いた。
スタート3分前である。
輝幸より3台左には磯村のチャンピオンボートも
鋭い悲鳴にも似た咆哮を繰り返していた。
「負けるもんか・・・・」
磯村に一瞥をくれてやりながら輝幸は、ボソっと呟いた・・・・。
さぁ、いよいよスタートである。
午前6時20分。
参加23台のバスボートが唸りをあげて一斉に各自が目指すポイントまで
フルスロットルで疾走していく。
まるで、バスフィッシングのトーナメントではなく
ボートのスピード競技のようだ。
前日までのプラクティスで、各自最初に狙うポイントは決めてあるはずだ。
ある者はディープ(深場)を・・・・
ある者はシャロー(浅場)を狙ってボートを進めるのである。
それにしても23台のフルスロットルサウンドは強烈で
眠っていた辺りの空気を一気に叩き起こすには十分であった。
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連載小説 ”NO-FISH”|
1:第一章 プロローグ|
2:|
3:第二章 デビュー|
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5:|
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8:|
9:|
10:|
11:|
12:|
13:|
14:|
15:第三章 ミラクルバシング|
16:|
17:第四章 ライトゲーム|
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22:|
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30:|
31:第五章 ハイテク バシング|
32:|
33:|
34:|
35:|
36:第六章 リトルアングラー|
37:|
38:|
39:第七章 老人|
40:|
41:|
42:|
43:第八章 迷い・・・・|
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48:|
49:|
50:|
51:第九章 フロック?|
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65:第十章 最後の決戦|
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69:十章 第二節 プレッシャー|
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79:|
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81:十章 第三節 懐かしいパワー|
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85:十章 第四節 スーパーランカー|
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94:|
95:最終章 ノーフィッシュ|
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97:|
98:最終話|
99:あとがき|
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