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まだ九月に入ったばかりとはいえ、顔に当たる時速100km/hの空気は
刺す様に冷たい。
相変わらず鋭く湖面を切り裂くスキーターのコクピットでハンドルを切りながら輝幸は
ある老釣り師に言われた言葉を、心のどこかで想い出していた・・・。
「お前の眼に映っているのは、魚じゃない。
その魚探のスクリーンだけさ。
本当のお前を見つめなおすことだ・・・。
そうすれば、今まで見えなかった物事が見えてくるようになる・・・。」
ここ一週間というもの、輝幸の頭からはこの老釣り師の言葉が離れない。
「ふん!あんな爺に何がわかる!」
老釣り師の言葉を振り払うように輝幸は
スキーターのアクセルギアをMAXまで絞り込んだ。
やがて彼のスキーターは、その最高速度である120km/hに達した。
そして、あっという間に朝もやの彼方へと消えていった。
跡には相変わらず冷たい空気と、一筋の切り傷を負った湖面が残るだけであった。
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1:第一章 プロローグ|
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3:第二章 デビュー|
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15:第三章 ミラクルバシング|
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17:第四章 ライトゲーム|
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31:第五章 ハイテク バシング|
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36:第六章 リトルアングラー|
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39:第七章 老人|
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43:第八章 迷い・・・・|
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51:第九章 フロック?|
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65:第十章 最後の決戦|
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69:十章 第二節 プレッシャー|
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81:十章 第三節 懐かしいパワー|
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85:十章 第四節 スーパーランカー|
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