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ウァァーン・・・ウァァァーン・・・・・
午前6時30分
早朝の、うっすらと霞がかかった冷えた空気を
そのまま映し出す、鏡のような湖面であった。
それを、スパーっと鋭いナイフで切り裂くように
彼の駆るスキーターは疾走する。
奈良県・池原ダム・・・。
バスフィッシングの聖地として知られるこの湖で
全日本バスフィッシングトーナメントGP・第四戦が開催された・・・。
彼の名は”藤野輝幸”
今期、最も注目を集めるバスプロの一人である。
このバスフィッシングトーナメントに、今年初参戦し
そしていきなり第一戦で、ぶっちぎりの優勝を飾った彼は
その釣りっぷりの大胆さと甘いマスクで、集まった報道陣にも
注目の的であった。
彼の愛艇は”スキーターS175リミテッド”
全長21フィートのオールFRP製ボディに、ヤマハ製V型6気筒
175馬力のエンジンを搭載した、まさにモンスター。
その最高速度は、実に120km/hに達する。
主要装備は、最新式の魚群探知機を前部、コクピット、後部デッキに
各一台。
通常のものよりも、出力を上げたにもかかわらず
静寂性を追求し、音もなくターゲットに近づくエレクトリックモーター。
その他にも、色々な最新のハイテク装備を誇る彼のスーパーボートは
”向かうところ敵無し”と絶賛されていた。
NO-FISH・過去記事
連載小説 ”NO-FISH”|
1:第一章 プロローグ|
2:|
3:第二章 デビュー|
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5:|
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7:|
8:|
9:|
10:|
11:|
12:|
13:|
14:|
15:第三章 ミラクルバシング|
16:|
17:第四章 ライトゲーム|
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28:|
29:|
30:|
31:第五章 ハイテク バシング|
32:|
33:|
34:|
35:|
36:第六章 リトルアングラー|
37:|
38:|
39:第七章 老人|
40:|
41:|
42:|
43:第八章 迷い・・・・|
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47:|
48:|
49:|
50:|
51:第九章 フロック?|
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59:|
60:|
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63:|
64:|
65:第十章 最後の決戦|
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67:|
68:|
69:十章 第二節 プレッシャー|
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77:|
78:|
79:|
80:|
81:十章 第三節 懐かしいパワー|
82:|
83:|
84:|
85:十章 第四節 スーパーランカー|
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89:|
90:|
91:|
92:|
93:|
94:|
95:最終章 ノーフィッシュ|
96:|
97:|
98:最終話|
99:あとがき|
NO-FISH