今現在・・４１歳。
一応酒屋の店主だけど、ギタリストでもある。
音楽との本格的な出会いは中学生の時。
それまで、全く音楽に興味はなかった。
一つのことに打ち込むということを知らなかった。

なんとなく中学生になって、独りでいてたら
同級生が近づいてきて、いきなり・・・・
本当にいきなり・・・・

”バンド組むから、お前ベースね！”

その同級生・・・昔から知ってたわけじゃない。
俺にとっては遠い存在だった。
同級生の中ではカリスマ的存在だった。
男前やし、勉強はできるし、バスケット部のエースだった。
もちろん、モテモテ・・・。
（なぜか背は低かったな・・・）
それまで、話したこともない。

本当に突然だった。
今でもはっきり覚えてる。

”いや・・・俺・・楽器触ったこともないし・・・”
”ええから、今日帰ってこれ聴け”
と渡されたのが、DEEP　PURPLEのライブアルバム。
”はぁ、わかったわ”

で、帰って一応そのアルバムに針を落とす・・・・
（もちろん当時はLPでした）
一曲目・・・BURN！
なんじゃ、この曲は？
衝撃が走った瞬間でした。
”熱い・・・！”
ただ、そう感じた。

もちろん、楽器など触ったこともないから
どういう風に音を出してるのかもわからない？！
ただ、熱い・・・。

そのまま一枚聴いて、立ち上がってお袋に
”ベース買うから、お年玉降ろして”
で、近所の楽器屋さんに行って
”この予算でベースください”
と言って安物のベースを買った。

次の日、その友達に”ベース買うたで、どないしたらええのん？”
その友達・・”よっしゃ、今週の日曜日この電機屋の倉庫に集合や”
ということになって、言われるがままその倉庫に。
何人かの友達が集まってて、ほなやろか・・・
いやいや、俺弾けへんて・・・。
”そらそやな”
と言って、その友達がチューニングもしてくれて
”こうやって弾くねん”と一日特訓が始まった。
曲は、当時一世風靡したKNACKのマイシャローナ。
一日中、それこそ一日中・・・・
あくる日も、その次の日も、またその次の日も・・
ずーっと、あのリフレインを弾いた。
アンプは買えなかったから、親父のステレオに繋いで・・・。

次の週、例の倉庫に集まってみんなであわした。
もちろん、めちゃくちゃだったけど
あのBURNを聴いた時より熱くなった。

それから、３か月・・・・
初ステージだった・・・オイオイ・・・。
高校生の先輩に混じって俺らがステージに立つ？？？！！
その同級生・・・はんまにカリスマ的やったから
お客さんいっぱい入っとるやんけ・・・・

もちろん、そのライブは全く覚えてない。
音源も無いからどんな演奏だったのかも分からない。

それから、ずーっと音楽が傍にいた。

今日は、その同級生の命日だ・・・・。

もう２０年になる・・・・。

毎年欠かさず線香をあげさせてもらいに行く。
そうしないと収まらない。

まだ、ギター弾いてるよ。
音楽続けてるよ。
お前のおかげで、日々充実してるよ。

去年のライブで、そのBURNを初めて演奏した。
信頼できる仲間たちと・・・・。

天国まで聴こえただろうか？
あの時よりは、ちょっとは巧くなったよ。
でも、心はあの時からちっとも進歩してない。
あの時、もう頂点だったのかもしれない。
でも、衰えてもいないよ。

お前のおかげで、大切な人にも出会えたよ。

もう２０年・・・・
お前も俺もちっとも変わらへんな・・・・

これからもずっと・・・・。